こんにちは。
特定社会保険労務士の佐藤広一です。
今回は、政権政党が民主党となって、人事労務の分野でどのような
変化が起こりうるかを考えてみます。
結論からいえば、今回の政権交代でかなり「左」寄りの政策に力点
がおかれていくものと推察します。
これは、かねてより民主・社民が求めていた派遣法の改正だけでなく、
労働者に有利な施策が次々と打たれていくものと考えられるのです。
民主党のマニュフェストによれば、次のような事項が盛り込まれて
います。
・健康保険制度による出産一時金の充実 42万円→55万円
・全ての加入者に「年金通帳」を交付し、いつでも自分の年金記録
(報酬月額を含む)を確認できるようにする。
・消費税を財源とする「最低保障年金」を創設し、全ての人が7万円
以上の年金を受け取れるようにする。
・社会保険庁は国税庁と統合して「歳入庁」とし、税と保険料を一体
的に徴収する。
・後期高齢者医療制度・関連法は廃止する。
・全ての労働者を雇用保険の被保険者とする。
・原則として製造現場への派遣を禁止する。
・2ヵ月以下の雇用契約については、労働者派遣を禁止する。
・景気状況に配慮しつつ、最低賃金の全国平均1000円を目指す。
・性別、正規・非正規にかかわらず、同じ職場で同じ仕事をしている人は
同じ賃金を得られる均等待遇を実現する。
上記でもわかるように、働く人の立場を今まで以上に優遇する措置
ばかりで、企業には負担を強いる内容となっています。
歳入庁を創設して社会保険料を税金と同様に厳格に徴収することが
予想され、これまでのように安易に社会保険の適用を免れることは難
しくなると思われます。
最低賃金を平均1000円にするなど現実的でないものも含まれていますが、
この分野でも財源をどこに求めるかが課題です。
いずれも矢面に立たされる企業にとっては受け入れ難い内容ですね。
経済界からの反発なども必至でしょうから、すべて実現することは
まず不可能だと思います。
どの分野でもそうですが、まずは優先順位を決めてアジェンダを明示して
貰いたいものです。
特定社会保険労務士 佐藤 広一


