事業承継税制・改正Q&A

事業承継税制の改正について
平成21年度の税制改正により、事業承継税制が大きく変わる予定になっています。
この税制改正が行われる背景には、中小企業廃業の原因の一つとして、後継者不足があります。その打開策に合わせ、地域経済の活性化と雇用の確保を目的としています。その為、厳しい要件となっていますが、通常通り事業承継をしていくには大変良い改正であると考えられます。ところが現在国会は紛糾状態にあり、具体的な内容が中々討議されていません。そのような訳で今回は現時点で明らかになっている部分Q&A方式でお伝えしておきます。ただし、今後も内容が変わる可能性がありますので、ご注意下さい。

Q:具体的にはどう変わるのですか?
A:中小企業の後継者が相続又は遺贈により取得した自社株に対する相続税について、80%の納税猶予する(発行済議決権株式総数の2/3以下の限度あり)というものです。現在は10%の減額措置が採られています。

Q:この適用を受ける為の被相続人の要件はありますか?
A:その会社の代表者であった事、及び下記のいずれかに該当する場合。
(相続開始時点で代表者である必要はありません)
@ 単独で過半数を保有していた場合。
A 同族関係者と合わせて過半数を保有しかつ、親族内において筆頭株主となる場合
(この判定には、既に後継者に株式が贈与されている事もある為後継者は除きます)

Q:後継者の要件はありますか?
A:被相続人の親族(配偶者、6親等内の血族及び3親等内の姻族)への相続又は遺贈によるものでかつ、次の要件を満たす場合。
@ その会社の代表者になる事又は代表者である事。
A 相続により取得する株式数と、相続前に保有していた株式数を合わせて過半数を
有する場合
B 同族関係者と合わせて過半数を保有しかつ、親族内において筆頭株主となる場合

Q:納税猶予と、減額措置の違いは何ですか?
A:まず、減額措置とは今後その税金については納税する義務は発生する事はありません。しかし納税猶予とは、今はその税金を納めなくても良いですが、将来納めてもらう可能性もありますよ。というものです。

Q:どうしたら、最後まで納めない(免除)でいられるのでしょうか?
A:まず、第一関門として5年間の事業継続が必要となります。具体的には
@ その企業の代表者であること
A 相続時の雇用を8割以上維持する事
B 相続した対象株式を継続して保有している事
その後はその人(今回の後継者)が亡くなるまで株を保有する等一定の場合に、納税猶予された税額を免除されます。

Q:途中で株式等を売却したら全額納めないといけないのでしょうか?
A:5年経過後に、納税猶予の対象となった株式等を売却した場合には、その売却した株式
の割合に応じた相続税を納める必要があります。その場合は、猶予期間の利子税も合
わせて納める事になります。

Q:万が一会社の経営が苦しくなり廃業した場合も、遡って税金を納める事になるのでしょうか?
A:そのような場合は免除されるであろうと考えられます。

Q:中小企業ならどのような会社も対象になるのですか?
A:原則として資産管理会社は対象から外されていますが、雇用を有するなど一定の条件に合う場合は対象になるよう検討されているようです。

Q:いつから実施される予定なのですか?
A:税制改正は21年度ですが、実施は遡って平成20年度10月から施行されるようです。

Q:良い事ばかりのような気がしますが、他に大きな税制改正はありますか?
A:実は、現在の相続税の計算は、法定相続分課税方式となっており、全遺産を民法で規定する法定相続分で相続したものとみなして相続税額を計算し、その相続税の総額を相続人が相続した資産分により按分する方式を採っています。ところが、今回この事業承継税制の改正に合わせて、遺産取得課税方式が導入されるようです。実はこれが大きな増税になる可能性があり、今後の動きが気になるところです。詳細は残念ながらまだ決まっていません。
  その他、生前贈与を受けた場合の遺留分の対象から除外する等、民法の改正にも及びそうです。事業承継に関しては近年にない大改正ですので、今後の動きが大いに気になるところです。

概要をわかりやすく説明した図です。図をクリックしてください。
事業承継税制の概要

岸田税務会計事務所
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岸田 亜矢子